ap bank基金/広島土砂災害での炊き出しレポートをアップしました。

広島土砂災害地域での炊き出し
2014年10月14日、22日、28日の3日間

2014年8月20日、集中豪雨がもたらした広島市の土砂災害。 74名もの命を奪い、現在も避難所での生活を余儀なくされている方々が、多数いらっしゃいます。
ap bankでは、東日本大震災でのボランティア活動を共に行ってきたピースボートボランティアセンターの協力のもと、特に被害の大きかった広島市安佐南区へ、慰問を兼ねて「だんだんカフェ with ap bank」と題した炊き出しを行いました。
支援については、もう少し早い形でとも考えていたのですが、最後のご遺体を発見するのにひと月かかったこともあり、泥かきなどのボランティア活動の、大々的な呼び掛けは行いませんでした。
しかし、被害に遭われた方々、その地区で生活している方々は、まだ辛く、複雑な気持ちを抱えているので、少しでも元気になっていただくために、気持ちのこもった美味しいものを「炊き出し」という形式で提供し、お話などもさせていただくのがよいのでは、ということになりました。

今回は10月14日、22日、28日の三週に渡ってプロの料理人とともに安佐南地区の三カ所、別のエリアで炊き出しを行います。 14日と28日は、ap bank Fund for Japanの炊き出しでも活躍してくれた、元kurkku kitchen、原薗和也シェフに駆けつけて頂き、腕を振るってもらいます。 22日は、代々木「code kurkku」のフードプロデューサー、笹島保弘シェフとともに炊き出しを行います。

炊き出しスケジュール

10月14日(火)12時~  終了しました。
安佐南区緑井7丁目 16-33 山口さん宅敷地内駐車場

10月22日(水)12時~  終了しました。
安佐南区八木4丁目 32-1 八木ヶ丘公園

10月28日(火)12時~  終了しました。
安佐南区八木3丁目 2 梅林集会場


1日目 山口さん宅敷地内駐車場

10月14日(火)晴れ
台風の影響が心配された1回目の炊き出しは、ap bank Fund for Japanの炊き出しでも活躍してくれた、原薗和也シェフに駆けつけて頂き、腕を振るってもらいました。

彼は現在広島県福山市内海町という小さな島に住んでいて、島で獲れた海産物を中心に作った料理を提供すると、召し上がった方々から「地元の食材にこんなものがあったの?」という声に合わせて、「こんなにお魚食べたの久しぶりね~」「沢山の人がいてお祭りみたいで楽しいね~」と、明るい声が多く聞こえてきました。

話をしていると、床下の掃除が追いつかないと話す年配の方や、3ヶ月後には今の仮住まいを出なくてはならない、といった落ち着いた生活を取り戻すには、まだ時間ぎ掛かるような現実問題も耳にしましたが、そんな中でも、束の間の安らぎを与えられた気がします。

この炊き出しが、今後必要となってくる地域の繋がりづくりのきっかけとなるように、意見交換の場としての役割も果たしていきたいと思います。

メニュー

瀬戸内じゃこおにぎり、アラ汁、鯛の一夜干し、ガス天(さつま揚げ)、小エビの唐揚げ


2日目 八木ヶ丘公園

10月22日(水)雨
あいにくの天気となってしまった2回目の炊き出し。

拠点にしていた八木ヶ丘公園は、土砂撤去作業現場のすぐ傍の高台にあるため、安全面を考慮し、急遽予定を変更して、坂を降りた3カ所に炊き出し場所を分散させて行いました。

雨模様にも関わらず、事前告知のチラシを見て炊き出しを知ってくれていた周辺住民の方々は、楽しみにしてくれていたようで、予定の12時が来ると、傘を指して次々に集まってくれました。
近くの避難所にも料理をお届けし、鰹だしで炊いた野菜と肉を別鍋で用意したシチューのルーを提供直前に混ぜ合わせ、作りたての熱々シチューを楽しんで頂きました。 雨で一段と冷え込む日でしたので、この日は本当に芯から温まりました。

東京代々木にある「code kurkku」のプロデューサーとしてもお馴染みのイル・ギオットーネの笹島シェフは、初めての炊き出し経験だったそうですが、さすがは一流シェフ、見事な段取りで突然の予定変更にもすぐさま対応してくれました。

少し多めに用意していた味噌シチューは、最後カレールーを足して『和風カレー』に生まれ変わり、周辺住民の皆様に夜ご飯として提供し、用意した150食は全て完売完食となりました。

メニュー

たっぷりいくらの鮭ごはん、鰹だしで焚いたたっぷり野菜とお肉の入った味噌シチュー


3日目 梅林集会場

10月28日(火)快晴
3回目の炊き出しは、1回目にお願いした原薗シェフが再び登場。 先週の大雨とは打って変わって、快晴の中で行われました。 今回は、八木地区にある個人宅の広い敷地をお借りして行われました。

原薗シェフは、自身が広島でレストランを営んでいることもあり、
ボラ、ちりめんじゃこ、じゃこを炊くお酒まで、できるだけ食材を広島県産にこだわって提供してくれました。

何度もだんだんカフェでは炊き出しを行っている場所なので、近隣の方々は慣れたようにお盆片手に集まり出し、泥かきを終えたボランティアスタッフもお昼休憩で戻って来られ、青空の下、みんな列を作りながらうどんとじゃこご飯を手にしていました。

ご飯をいただきながら、現状の周辺状況の意見交換や、まだ不安な日を過ごしている方にみんなで耳を傾けたり、シェフと広島の食材の話で会話が弾んだりと、終始和やかな雰囲気で行われました。

メニュー

あつあつうどん ~づけボラのせ~、自家製ちりめん山椒ごはん


シェフプロフィール

コンセプトプロデュースを担当しているkurkku(クルック)の、第一号店となるフレンチレストラン「kurkku kitchen」の立ち上げに関わり、その後kurkkuの各店舗でシェフを務める。東日本大震災をきっかけに、地域の食の循環を目指し、地元広島へ戻る。
今年7月、福山市内海町に地元の食材を使ったレストラン「zono kitchen」をオープンさせた。
official site http://zonokitchen.com/

2002年、“京都発信”のイタリアン「イル・ギオットー ネ」を開店し、現在は京都と東京合わせて全4店舗を展開している。
また、東京の「code kurkku」、大阪の「code kurkku + イル・ギオットーネ」のフードプロデューサーも務める。
テレビ・雑誌などのメディアでも活躍中。
official site http://www.ilghiottone.com