「百年後芸術祭」にまつわるFRIDAY記事に関して。

僕が総合プロデューサーを務めている千葉県誕生150周年記念事業「百年後芸術祭」に関する記事が「FRIDAY」誌および「FRIDAYデジタル」に掲載され、それがYahooニュースに拾われたことにより拡散されました。
内容は、千葉県のお金の使い方を問う記事でしたが、僕の名前と写真が大きく使われていました。

今回、この「百年後芸術祭」にはap bankとしても一部協力していることや、「通底縁劇・通底音劇」というプログラムにも、櫻井くんをはじめ、今までap bank fes などに参加してくれたアーティストが多数参加してくれていることも含め、ap bankのホームページ上で、僕から経緯の説明などをさせてもらうことにしました。

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ことの発端は芸術祭の会期が始まる前の3月初旬から中旬でした。

佐倉市の県議会議員の方が、この芸術祭に寄付金等のかたちで協力して下さっている方と僕とで共同して立ち上げた会社のことで、議会で発言をされました。その会社は社会貢献活動を行うことを目的としており、お金の流れをクリアにするための受け皿として作ったものですが、僕の音楽活動のベースでもある港区芝浦の築40年の建物内にあるスタジオ兼事務所を所在地にしており、同じ住所に複数の会社が入っていたことから、ペーパーカンパニーなのではないかとの疑惑を持たれたようで、そのことを発言されました。

これは県議会のホームページにも動画が公開されていて、そのことがフライデーの記者につながり、その記者が僕の芝浦の事務所に訪ねてきたのが始まりでした。

その後、まるで検討違いの疑惑に対して、フライデー側と僕の弁護士側とでやりとりを重ね、僕に落ち度がある事は1つもなく、むしろ民間としてかなりの経済的協力をしていることなどを、はっきりと伝えていきました。

やりとりした結果、2ヶ月後に、結局何の断りもなくフライデーから記事が出されました。
見当違いの疑惑に対して正しい情報を伝えたことで、県議会議員の方から指摘を受けた僕に対する疑惑の点については払拭されたようで、少なくとも僕に関連する内容の記載は一切なく、千葉県のお金の使い方の不透明さにフォーカスを当てた記事となっていました。
しかし、記事の見出しと写真だけを見ると、まるで僕が、公金に関して何らかの悪事を働いているかのような切り出し方になっていました。

フライデー側は、僕に対する疑惑の情報を得た時、つまり最初から僕を記事の中心に据えて書こうとしていたのだと思われます。甚だ遺憾ではありますが。

僕はap bankを作って以降、硬く言えば、社会貢献活動を続けてきたわけですが、実際にこの芸術祭に対しての僕のスタンスも、基本的にボランティアであります。個人的に利益を得るというような考えが前提にはなっていません。

「社会貢献と公金悪用?」という組み合わせは、本当に最悪です。
「こういった写真週刊誌のようなものは、まぁしょうがないので気にしないほうが」と言ってくれる理解者もいますが、僕は、ap bankを続けてきた姿勢に対して信頼してくれている人がいて、それが次世代にもつながっていく可能性があると思っています。そして、そのことに責任を感じています。

「気にしないで、やり過ごせば良いか」では済ますことはできないと考えています。

政治の世界では、政策や公金の使い方などで、いろいろ意見があるのは当然だと思います。
言いあったり、ときには足の引っ張り合いがあったりすることもあるのでしょうが、今回の場合、そこに責任の持ちようがない僕は、完全に巻き込まれてしまったと感じています。

記事にある、千葉県のお金の使い方の手続きの面で至らない点があったのではないかという内容については、繰り返すようですが、当然のことながら、僕が税金の額を決めたり操作したりできるわけではありません。
そのことを前提として、実際にこの芸術祭の中心となっている内房総アートフェス事務局のスタッフとも話し合ったのですが、僕たちがチェックし、振り返り、考える限り、不正であったり、不当であるというような進め方があったようには思えない、ということも伝えさせていただきます。

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ap bankは、2003年より、持続可能な社会づくりをテーマに様々な活動を行ってきました。
東日本大震災発生後には宮城県石巻市を中心に行っている「リボーンアート・フェスティバル」を立ち上げるなど、活動は多岐にわたってきました。

最後になりますが、
「自分以外の誰かのために」という想いで活動を続けてきたap bankに対する不信感を抱かせてしまうような記事が出たことを大変申し訳なく思いますとともに、そのことでap bankを応援してくださっている方々、並びに「百年後芸術祭」に期待や信頼を寄せてくださった方々にご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。

小林武史