「学校のエコ改修と環境教育事業」とは?
2005.07.13
「学校エコ改修と環境教育事業」とは、2003年度に行われた環境省主催のNGO、NPO/企業環境政策提言に、民間企業から提案され、「既存校舎のエコリノベーション&環境教育モデル事業」として優秀提言に選ばれたプロジェクトを具体的に事業化するものです。ヒートアイランドの抑制・温暖化防止の対策事業として、既存の学校校舎をエコ改修するにあたり、その改修の過程や改修された校舎を、学校生徒のみならず地域住民や地域の建築技術者など、社会人に対しての環境教育の教材としても活用していく予定です。
今回の事業の背景には、以下の3点があると私たちは考えています。
(1)民生部門での温暖化対策
温暖化防止のための CO2排出量の削減は、世界的な問題となっています。現在においてもCO2排出量は増加し続けており、中でも住宅における1990年以降のエネルギー消費量の伸びは著しく、対策が必要な項目としてあげられています。そのような重点項目を解決するためには、環境建築の知識を有する建築技術者の不足と、一般市民の環境に配慮した生活手法の知識不足という、2つの大きな問題があると私たちは考えています。(参照:「1990年におけるCO2排出量の割合」)
(2)子どもたちへの身近な環境教育
民生部門における長期的な温暖化防止の対策としては、子どもたちへの生活に密着した内容の環境教育が重要です。したがって、環境教育を学校教育の一環として行われることが求められていますが、学校で環境教育を行っていくには、教師の環境教育に対する知識不足、身近にある優れた教材の不足、温暖化対策と環境教育の課題などがあると私たちは考えています。
「地球温暖化対策」と「環境教育」を実現させるためには、(1)、(2)に記したようなそれぞれ2つの解決すべき問題が背景として存在しています。今回の事業では、それらの問題を解決する方法の1つとして、1960年代ごろの児童数が大幅に増加した時期に大量供給された学校校舎が、全国一斉に建て替えや大規模修繕の時期にきている社会情勢を考え、そのような改修の必要な学校校舎を利用しながら、建物の改修プロセスも含めて教材として活用することを提案したものとなっています。
また、今回の事業には以下の6つの目的があります。
(1)環境改善
校舎のエコ改修を行うことで建物の性能を向上させ、子どもたちの学習環境をエネルギー負荷をあげることなく改善します。
(2)CO2排出量・ゴミの削減
耐震補強、現代教育にあった間取り、長く使える校舎とすることで、ライフサイクルにおけるCO2を抑制し、解体による建築廃棄物を削減します。
(3)地域技術者の育成
エコ改修工事の計画段階から教材として活用し、地域において環境建築を担える建築関連技術者を育成します。
(4)環境教育
エコ改修された学校を、子どもたちへの環境教育だけでなく、地域住民などが省エネルギーで快適な暮らし方について学ぶ環境教育の場とします。
(5)環境対策の普及
児童・教師。地域住民への環境教育の効果や地域の技術者のスキルアップで、地域全体での省エネルギーを促進します。
(6)エコ市場
この事業の全国展開によって、経済は活性化してもエネルギー消費の増えないエコ市場が主流の「環境と経済の好循環社会」を目指します。
本事業では、建築技術者への環境建築技術教育を目的として、建築のエコ改修のあり方を検討する組織「環境建築研究会」と、児童・地域住民への環境教育を目的として、そこで行う環境教育のプログラムを検討・実施する組織「環境教育研究会」の2つをつくります。環境教育の従事者であり施設利用者である教師が、これら2つの組織をつなぐことによって、環境教育を行うにふさわしいエコ改修の実現と、改修後に効率の良い施設運用が可能となります。この2 つの研究会では、多くの関係者とともに「学ぶ」「考える」をキーワードとして進めます。この学習方法によって、学んだことの理解が深まります。最終的には、ここで学んだ人たちがその知識を活かし、自らの生活の中でも環境に配慮した暮らし方を促進することによって、地域全体で環境配慮社会が形成されることを目的としています。(参照:「2つの組織と全体の関係」)


