それって本当に常識なのか?
2008.09.24 Wed
ムラタ チアキさんの講演を聞きに行きました。
彼は、プロダクトデザインを中心に、
グラフィックやC.I.(コーポレート・アイデンティティの略)、
インターフェースデザインなど、
幅広いデザイン活動を行っているデザイナーであり
プロデューサーです。
講演に出席するにあたり、ちょっとした宿題がありました。
それは、「日常の光景のバグをみつけてくる」というもの。
バグ……???
たとえば、ハンガー。
帰宅後、男性がスーツを脱ぐときの動作は、
上着を脱ぐ → ハンガーに上着をかける →
ズボンを脱ぐ → ハンガーにかかっている上着を
いったん外してハンガーにズボンをかける→
ズボンのかかったハンガーに再び上着をかける、
となります。
そこには、多くの人がスーツは上着から脱ぐのに、
ズボンからしかハンガーにかけられない、
という不便さがあります。
これが“バグ”。
たとえば、傘立て。
お店に入るときに、雨で濡れた折りたたみ傘を
傘立てに入れようとしても、
長さが足りず下に落ちてしまいます。
これも“バグ”。
「だったらズボンから脱げばいいじゃない」と、
人間の行動、行為そのものを改めることを求めたり、
「折りたたみ傘を傘立てに立てられないのは常識でしょ?」
「普通はそうなんだから仕方がない」と
片付けてしまいがちですが、
ムラタさんはそこに注目しました。
人間の行動、行為をシミュレーションしていくと
見えてくる問題点、常識のゆがみ=バグを見つけ出し、
それを解決する新たな常識を見つけだすプロセスを
ムラタさんは「行為のデザイン」と呼んでいます。
私たちは知らず知らずのうちに
「これはこういうものなんだ」とか
「こういうものは、こんなもんだ」といった、
“常識”にとらわれてしまい、そのモノ自体の本質が
見えなくなってしまうことがたくさんあります。
でも、その“常識”という枠を外して
何の縛りもない状態で考えたときに、
そのモノやコトのあるべき姿や存在意義、
そのものの本質に気づくことがあります。
「行為のデザイン」の考え方は、
デザインやモノづくりの現場だけではなく、
仕事や家庭など、
私たちの生活のさまざまな場面でも適応できます。
ひとつの視点からではなく、さまざまな角度から考えること。
常識にとらわれずにそのモノ自体を見ること。
いろいろなモノゴトや出来事と
そんな風に向き合うことは、
日々の生活をより豊かで
楽しいものにしてくれると思いました。
(uo)


