『魔女』
2008.08.26 Tue
五十嵐大介さんの漫画、『魔女』1、2巻を読みました。
五十嵐さんはいろんなかたちで自然を描きます。
いま「自然」と言いましたが、
それは一つのいい方でしかなくて、
ここに描かれている「自然」は美しさと同時に醜さを有し、
人間の生命を助けることもあれば奪うこともあるようなもの、
きっと私たちの想像を超えた領域にあるようなものです。
2巻で登場する魔女はこう言います。
「わたしは2つの世界をつなぐ者。言葉のある世界とない世界の。
あなた達の世界は"有限"。
わたし達の世界は"無限"。」
想像を超えた世界と私たちが生活する世界の仲介役としての「魔女」。
彼女たちを通して、五十嵐さんは言葉では言い表せない
「自然」を表現しようとしているように思えます。
魔女が登場してくるし、タイトルもズバリ「魔女」、
解説で「幻想奇譚」なんてあると、
とてもオカルト的な先入観を持ってしまいますが、
読み進めるほどに描かれている内容から
「いま」、「ここ」が感じられる作品です。
私たちが生活する中でも、何らかの問題に対して、
AをとるべきかBをとるべきか迷ったりすることがあります。
そんなときは知らず知らずのうちに狭い枠組みを作ってしまっていて、
その狭い空間の中で手元にある情報ばかりを集め、
考えてしまっていることが多いように思います。
狭い枠組みから外に出たからといって、
問題が一気に解消されることはもちろんありませんが、
まずは世界をあるがままに見ること、そこから始めなければ、
どんなにがんばっても歯車は空回りするばかりです。
例えば、環境に関してだって同じだと思います。
「エコ」や「環境問題」といった言葉に縛られる前に、
まず『魔女』を読んでいただくことをおすすめします。
(ei)


