『社員をサーフィンに行かせよう』
2008.07.04 Fri
パタゴニアの創業者、
イヴォン・シュイナードさんによる経営論を読みました。
パタゴニアの風変わりな社風をとりあげたタイトルを見ると、
自由な会社でいいなぁ、と思いますが、その一方、
社員をサーフィンに行かせてしまって、仕事の方は大丈夫なの?
と心配にもなります。
しかし「社員をサーフィンに行かせよう」という一つの判断にも、
自然を感じながら企業経営をする中で
イヴォンさんが学んできた哲学があり、
そのルールには自由があるとともに責任も生じているのです。
「海ではいついい波が来るのかわからない、
ならばいい波が来たときにサーフィンに行くべきである。
その分止まってしまった仕事があるならば、
サーフィンの後にがんばってやればいい。
仕事をしないでサーフィンばかりしているのではない、
いい波が来たときにはサーフィンをして、
そのかわりに他の時間を仕事に当てる。
いつまでに仕事を終えなければならないかという判断は、
一人一人が自分でできるべきである。
そして、好きなことをした方が仕事の効率もあがるはずだ。」
パタゴニアの考え方はとてもシンプルです。
いくつもの突飛に見える発想は
シンプルに当たり前のことをしていった結果にすぎません。
もしそれなのに突飛に見えてしまうのだとしたら、
シンプルさを一貫するのがいかに難しいか、
ということなのでしょう。
「私は長年、禅哲学を学んでいる。
たとえば弓道では、目的──的を射ること──を頭から消しさり、
代わりに矢を放つ動作の一つ一つに精神を集中する。
構えの姿勢をとり、手を後ろへもっていき、
矢筒から滑らかに矢を引き抜いたら筒にあて、
呼吸を整えて、矢が自ずから飛んでいくままにする。
各動作をすべて完璧に身につければ、
いやでも矢は的の中央を射るはずだ。(p.101)」
まわりのものに振り回されず、
シンプルに目の前のことに対して真意に対応すること。
そうすれば結果はその後についてくる。
これは経営論だけでなく、友人同士の小さな関係から
環境問題のような大きな関係まで通ずる言葉だと思います。
パタゴニアの歴史にも長い期間にわたる挑戦と経験、
そして失敗と成功があります。
運もなければ、もしかしたらパタゴニアは
存続していなかったかもしれません。
けれど、一つの実例としてパタゴニアのような会社が存在するのです。
本書を読んで、パタゴニアという会社を知ることは、
多くの消費に関わる人々を勇気づけ、
次にとるべきアクションのヒントを与えてくれるはずです。
(ei)


