柏崎刈羽原発のこと
2007.10.17 Wed
いやあ、毎週一回書きたいと思ってたんだけど、
今回はあいてしまいました。
ちなみにミスチルのツアーも、今更ですが、大成功に終わり、
本当に楽しい打ち上げもしつつ、また新しいプロジェクトが
始まろうともしているところです。
ところで、突然ですが、artists' powerってご存知でしょうか?
知ってる方は、ap bankとどこがどう違うのか、
と思ってる方も多いのかもしれません。
なぜそんなことを書くかというと、
最近「artists' powerがやっている柏崎の署名に賛同されないの
でしょうか」というような内容のメールをいくつかいただいたからです。
ちょっと話がややこしくなるので順をおって説明してみます。
ご存知ない方もいると思いますが、
artists' powerというのは、環境問題、社会問題などの
情報共有の場として、坂本龍一さんが発起人となって
始まったメーリングリストです。
そのartists' powerが一ヶ月ほど前に、坂本さんを中心とする
有志の方々で、柏崎刈羽原発の運転再開が危険であることを訴える
「おやすみなさい、柏崎刈羽原発」という署名サイトを立ち上げました。
ap bankはもともとartists' powerのメーリングリストから
僕の呼びかけで勉強会を開き、そこから生まれています。
(いろいろなところで言ってますが、ap bankの「ap」は
「artists' power」という意味だけではなく、
「alternative power」という意味も含まれていますが)
なので、こういったことが起こると、
自分として参加するべきかどうかなど考えてしまうことも
多々あります。
この署名運動の目的は、大きな地震を起こす活断層の上に
存在していることが調査の結果わかった柏崎刈羽原発の
運転再開の中止を訴えるものです。
もちろん僕はこの署名運動を否定する気持ちはありません。
artists' powerの署名なさってる皆さんの気持ちは
僕も充分に理解できるところがあります。
ですが、僕はこの原発に関わっている東京電力の人や
柏崎周辺でこの事業に参加している全ての人に対して
完全に否定的な気持ちや態度を示すことが出来ません。
難しいなあと思うのは、技術というのは日進月歩だ、という
ことなのだと思います。
技術が進歩していく過程で、もしそこに潜んでいるリスクとか
危険などとその技術が大きな衝突と起こさないで進んで行ければ、
技術は、より安定した使われ方を目指して人々から支持されて
新たな社会の在り方を推進してきたし、
多分これからもそうしていくのだと思います。
例えば車社会や鉄道等の輸送機関やコンピューターも家電も
銀行のキャッシュディスペンサーとか他もいっぱい……。
だから、今回の問題を教訓とし、再始動するかどうかも
相当厳しい目でチェックしてもらうことは当然必要だと思うし、
世論がそれを求めているのは間違いないと思います。
だからIAEA(国際原子力機関)などの原子力に対しての
チェック機能がどのぐらいの厳しさや
意味合いを持っているものなのか僕にはわからないところがありますが、
そういった機関の調査を待ってみたいという気持ちもありました。
しかし同時に、技術というのはどこまでも不確かで、
今回改めて浮き彫りになった「地震列島日本」の上に原子力発電所が
たくさん存在し、まして活断層の上に再始動しようとする原発の存在は
根本的に危険すぎるのではないかという問題は大きく残ると思います。
もちろん僕はありとあらゆる核というものから人間社会が、
いつか手を引くべきだと思っています。
核エネルギーが核兵器に移行し、それがテロリストなどの手に渡る可能性も
現実の問題になっています。
人間は過ちを犯すし、自然の猛威は人間の想像を超えたものがあるからです。
間違った、では済まされないことにつながる原子力というものからは
離れた方がいいと思っています。
が、しかし、柏崎の原発関連で働いている人たちも含めて、
いろんな立場の人がさまざまな形や利害関係でこの原発に
関わっていると思います。
ここに関わっている人たちは原発をつくるときには頼んでおいて
いつも電力は遠くで使用しておきながら、地震が来て危険なので
もう運転するのはやめろっていうのは身勝手じゃないかと
思われるかもしれません(artists' powerのメンバーの中にもこういう考えを
持ってらっしゃる方はいらっしゃいます)。
勿論、近い将来の中では、原子力は温暖化防止にも有効なのだから、
しばらくはこのままで慎重に様子を見ていこう,というのも
解らないではありません。
実際、原子力がエネルギーとして必要なくなるには少なくとも
百年はかかるだろう、と言う方もいます。
それに関して僕らは、何と言って反論したり、
または納得したりすればいいのか……。
といってまた思考停止になりそうだけど。
いずれにしても非常に難しい問題だと思います。
どういう時間の感覚で論議していくかによって
いいも悪いも違って来るようにも思えます。
ただ世界に先駆けて、おそらく最も原発を建てるのに
適していないかもしれない国の一つでもある日本に、
今回の柏崎の事故をきっかけとして、何かアクションを起こすことは、
あくまで僕個人の意見ではあるけれど、意味も意義もある気はします。
いつかなくなればいいと言っているだけではだめだなとも思ってます。
だから難しいんだけど、いろいろ考えていこうと思っています。
例えば、原発をやめるための代替エネルギーの可能性をもっと
見せていくことによって「いらないんじゃないの? 原発」というムードを、
もっと広く国民の人たちが感じてくれるようになり、
また六ヶ所や柏崎の原発関連で働いている人たちの
別の経済活動の提案とかなども含めながら、人々の未来を思う気持ちを
つないでいくやり方のようなものがないものか……。
もともとap bankは自然エネルギーの普及というものをイメージして
立ち上げたところもあるし。
いずれにしても僕は、今回の署名運動とは別の方法でこの問題を考え、
何かに繋げたらいいな、と思っています。
いやあ、今回は堅いネタでした。


